1. 婚活にも効くFAP療法
婚活していくなかで、あるいは人生を生きていくなかで「もっと自分に自信が持てるといいな」と望まれる方には、FAP療法を取り入れております。
FAP療法(Free from Anxiety Progam : 不安からの解放プログラム)は、1999年に大嶋信頼氏らにより開発された「トラウマ」を解消する療法で、不安や緊張、依存症などにもいい方向への変化が見られたと、ご相談者様からのお声をいただいております。
FAP療法は、PTSDや幼少期の家庭環境などのトラウマの解消のために開発された療法ですが、トラウマの解消に効果が見られる療法ですので、「日常の気になること」などにも幅広く適用されています。
例えば、日常で「何か気になること」があり、それが頭から離れず目の前のことに集中できないというような時や、頭では大したことがないとわかっていても気楽に流せない時などです。
トラウマとは、今までに自分が経験したことのないショッキングな出来事が起きた時、その感情が記憶と結びつかず整理がついていない状態のことだと考えられます。整理がついていないため、感情だけが反応しフラッシュバックなどが起きてしまいます。
一般的には、このようなフラッシュバックが起きる状態のことだと言われていますが、トラウマと呼ぶほどではなく、日常のなかで「何か気になること」があり、それが頭から離れないというような場合も、同様に記憶が統合されていない状態と考えられます。
例えば、「よけいなことを言っちゃった」とか「わかっているのにまたやっちゃった」とか「自分はダメだな」といった、後悔や自責の念や不安な状態の時などです。
「気にしないように」とか「考えてはいけない」とコントロールしようとするより、早く手放したいものです。このように「気になること」を手放す時にも、FAP療法では変化が見られたとのお声を頂いております。
婚活においても、特にこのような方にはFAP療法はとても役に立つと思います。
・人と会うとどうしても緊張してしまう
・相手に合わせ過ぎて疲れてしまう
・自分にダメ出ししてしまう
・相手の欠点ばかり気になる
・自分に自信が持てない
・本当はどうしたいのかよく分からない
・過去の傷ついた経験が忘れられない
・母娘の共依存関係を解消し自立したい
FAP療法でトラウマを解消したり、日常の気になることを解消することで、心のブロックを外していきます。自分の感覚を取り戻すことができると、自分らしく生きられるようになり、もっと自信を持って婚活もできるようになる方向へとつながっていきます。
もっと自信を持って活動したい方へは、ご希望に応じてFAP療法を取り入れております。
では、具体的にどのような療法なのかご紹介します。
2. 指のツボを押さえる方法
FAP療法は年々、バージョンアップしていますが、一番初期の方法がこの「指のツボを押さえる」という方法です。
これは、EMDRやTFTなどのエナジー心理療法と呼ばれるものの一種です。
クライエントが抱えている問題の情報(トラウマに付随した感情や身体反応)をセラピストが自分の指の反応で感じ取り、その情報をもとにクライエントに指のツボを押さえてもらうことで、緊張を緩和し、解離していた記憶と感情を統合させる方法です。
感情と臓器は密接に関係しています。例えば、怒りを感じていると胃が痛んだり、不安を感じていると下腹部(腸)に下痢のような痛みを感じたりします。
また、臓器と指は中国医学で言うところの経絡で繋がっており、指に刺激を与えることで臓器の痛みとそれに関連する感情を和らげることができます。
人間の脳にはミラーニューロンという、他人の行動を見て、自分自身があたかも同じ行動をとっているかのように反応する脳神経細胞があります。他人の緊張が自分にも移るというのが分かりやすい例です。このミラーニューロンによって、クライエントの身体反応をセラピスト側でも感じることができます。
これを流れで説明すると以下のようになります。
クライエントが問題を思い浮かべたり言語化したりする
↓
クライエントの身体反応が起きる
↓
ミラーニューロンを介してセラピストの身体反応が起きる
↓
経絡を通じてセラピストの指が反応する
↓
指の反応を通じてセラピストが情報(感情や身体反応)を読み取る
↓
クライエントに感情に関係する指のツボを押さえてもらう
↓
感情による緊張が緩和され、解離していた記憶と感情が統合される
また、セラピストがクライエントの身体反応を共有することで、共感が深くなり、クライエントの固着観念からの解放が進みます。
3. 心に聞く
FAP療法では、「心に聞く」という方法があります。
日常でも心の声を聞きながら過ごされると、ご自分で選択したという実感が持て、充実した人生になると思います。
私達には、「意識」と「無意識」があります。
「無意識さん」と関係の深い『心よ』というフレーズを使うことで簡易的な催眠状態に入り、ご自身の優しい言葉とつながり、本来の「心の声」に気づいていくというものです。
では「心の声」とは、どういうことでしょうか。
本来の自分の感覚である「無意識さん」とつながり、その感覚を感じとっていくということなのです。
「無意識さん」は、怪しいものではなく生命維持のための働きである「本能」や「感性」「感覚」などです。
一方、「意識」とは、親の価値観であったり、社会の規則や常識など学習することで身についた知識などの脳の働きです。こちらの方は、馴染みがあると思います。
「良い、悪い」を判断したり「やらなければならない」など、私達を規制する働きです。
もちろん、現実社会で生きていくために必要な働きですが、こちらが強過ぎると、とても疲れやすく、生き辛い人生になってしまいます。
双方のバランスや統合が重要なのですが、私達は「こうあるべき」という規制に縛られてしまい、「無意識さん」の「感覚」を感じ取っていない傾向があります。
『心よ』とタグをつけて問いかけることで、「良い、悪い」を判断してしまう意識の奥にある「無意識さん」とつながっていくことができます。
「無意識さん」につながると、本来の自分の感覚に触れることができ、今、気になっていることや悩みの解消改善のヒントが見えてきます。
FAP療法では「心」に問いかけて、悩みや問題点の原因を見つけ出し「心」に確認しながら必要であれば「トラウマの解消」も行っていきます。
4. 人からの影響を遮断する
トラウマの解消といっても、辛い過去を思い出す必要はありません。過去に傷ついた心の原因となったものを遮断していく方法です。
簡単に言うと、「雑音を雑音で消すノイズキャンセリングヘッドフォン」がイメージしやすいです。ノイズキャンセリングヘッドフォンは、ある雑音に対して別の雑音をぶつけると、2つの音が打ち消し合ってノイズが消滅する仕組みです。
問題になっているネガティブな感情に対して、キーワードとなる言葉を心の中で唱えていただきます。カウンセラーはノイズを消す言葉を唱えていきますので、BGMのように聞き流す感覚で、耳を傾けていただきます。頭の中がクリアになる感覚です。非常にシンプルで、ご自身に負担がない方法です。
5. 過去を変える
過去に失敗した経験は誰にでもあることです。人によっては失敗した経験を前向きに捉えて活かせる人と、次に進めなくなり立ち止まってしまう方がいらっしゃいます。その違いはどこにあるのでしょう。
幼少期に緊張の高い家庭環境で育ち「トラウマ」を抱えている場合、ストレス反応がズレて現れるといった非常に興味深い実験データがあるのです。
ストレス場面が過ぎてからズレて反応が出るため、ストレス場面が過ぎた後から気になり、頭から離れないのはそれでなのかと、驚くほど納得できました。トラウマがあると、ストレスの反応がズレて出ちゃうんですね。
過ぎたことが頭から離れず、動けなくなるのはストレスホルモンのズレなので、思い当たる方はまず「ご自分が弱いからだと責める」のを止めて下さい。
それでも過ぎてしまったことが頭から離れないといった場合、子供の頃のネガティブな経験が記憶として残っていて、新たなネガティブなことを引き寄せている場合が考えられます。
その時は、過去のネガティブなイメージを変えちゃいましょう。現代催眠(呼吸を整え、合わせることで入る自然な感覚の催眠)で、リラックス状態に入り、現在の問題点が何才の自分と繋がっているのかを問いかけます。子供の頃の体験を思い出す必要はなく、「ふっと頭に浮かぶ年齢」で大丈夫です。
今のストレスを引き起こす緊張状態は、幼少期の最初に傷ついた経験と繋がっていると考えられます。大嶋先生が多くの臨床経験から見つけ出した元気になる暗示を、その頃の自分に唱えてもらいます。
自己肯定感が高まりとっても元気になる暗示です。子供の頃に残っている記憶の中の自分が元気になると、今の自分にも良い影響が出てくるのです。過去の自分がポジティブなイメージになることで、今の自分を元気にしていく方法です。
6. 遺伝子コード
遺伝子は「生き方を変える」ことで変わることが分かってきましたが、生き方を変えるというのは、すぐにできるものではありませんよね。
そこで、不具合の原因となっている遺伝子コードを元に戻すという意味で、還元という言葉を添えて唱えます。
癖ってなかなか変えられないものですが、その癖の元である遺伝子コードをオフにすることで楽になり、なりたい自分に早く近づいていけます。
その方の状態に合った遺伝子コードを見つけ、毎日いつでもどこでも構いませんので、唱えていただきます。声に出しても心の中でもどちらでも構いませんので、外出していても唱えることができます。
7. FAP療法を理解するための理論
FAP療法の概要は以上の通りですが、単なるイメージ療法や暗示療法と思われたかもしれません。イメージや暗示自身もとても効果がありますが、更にFAP療法を理解する上で必要となる臨床心理学上の理論としては、「外在化」と「ナラティブアプローチ」があります。
「外在化」というのは、「私はダメだ」という問題の内在化から、「あなたのせいではない」と、問題を本人から切り離していく技法です。「外在化」することで問題を当事者から切り離して、本人は問題から距離を置いて見ることができます。「ナラティブアプローチ」とは、新たな自己物語を作り出していく技法です。これは、「言葉が世界をかたちづくる」「言葉が先にあって、その言葉が指し示すようなかたちで世界が経験される」という考えから来ています(これは社会構成主義と呼ばれます)。
例えば遺伝子コードを書き換えるというのは、自分自身や誰かのせいにするのではなく、「トラウマやストレスがきっかけで特徴的な遺伝子のスイッチが入ってしまっているから」という外在化を行い、呪文のような言葉を唱えることでその遺伝子のスイッチがオフになり不快な症状から解放されるという新たな物語(ナラティブ)によって新しい世界を創っていくということです。
症状を治そうと意識的になればなるほど、自分に暗示がかかり、固着していきます。呪文のような言葉を唱えた時に感じる快・不快の感覚を取り戻すことで無意識さんが働きはじめます。無意識さんは私達を知らず知らずのうちに助けてくれて、人生を楽しく心地良い方向に導いてくれます。
無意識さんを働かせるためには、あまりこのような理屈での説明はしない方がよいのかもしれません。「クライエントさんが楽になるように」との思いで日々進化を遂げているのがFAP療法です。
(FAP療法を理解するための一冊)