平成25年版の厚生労働白書には、結婚に関して色々な調査結果が載っています。その中に「結婚することの利点」についての調査結果があり、5年毎の調査結果の経年変化を見て、時代背景を反映しているなと思いました。
男性
1997年の順位
1位「精神的安らぎの場が得られる」(37.5%)
2位「子どもや家族を持てる」(23.8%)
3位「愛情を感じている人と暮らせる」(18.0%)
4位「社会的信用や対等な関係が得られる」(14.6%)
5位「親や周囲の期待に応えられる」(12.4%)
2005年の順位
1位「精神的安らぎの場が得られる」(35.9%)
2位「子どもや家族を持てる」(33.4%)
3位「愛情を感じている人と暮らせる」(17.0%)
4位「親や周囲の期待に応えられる」(12.6%)
5位「社会的信用や対等な関係が得られる」(12.3%)
2010年の順位
1位「子どもや家族を持てる」(33.6%)
2位「精神的安らぎの場が得られる」(32.3%)
3位「親や周囲の期待に応えられる」(14.6%)
4位「愛情を感じている人と暮らせる」(13.7%)
5位「社会的信用や対等な関係が得られる」(11.8%)
傾向として上がっているのが「子どもや家族を持てる」「親や周囲の期待に応えられる」
傾向として下がっているのが「精神的安らぎの場が得られる」「愛情を感じている人と暮らせる」「社会的信用や対等な関係が得られる」
女性
1997年の順位
1位「精神的安らぎの場が得られる」(34.7%)
2位「子どもや家族を持てる」(34.6%)
3位「愛情を感じている人と暮らせる」(23.6%)
4位「親や周囲の期待に応えられる」(13.6%)
5位「経済的余裕が持てる」(11.2%)
2005年の順位
1位「子どもや家族を持てる」(45.3%)
2位「精神的安らぎの場が得られる」(32.1%)
3位「愛情を感じている人と暮らせる」(20.8%)
4位「親や周囲の期待に応えられる」(16.4%)
5位「経済的余裕が持てる」(12.4%)
2010年の順位
1位「子どもや家族を持てる」(47.7%)
2位「精神的安らぎの場が得られる」(29.7%)
3位「親や周囲の期待に応えられる」(19.1%)
4位「愛情を感じている人と暮らせる」(17.6%)
5位「経済的余裕が持てる」(15.1%)
傾向として上がっているのが「子どもや家族を持てる」「親や周囲の期待に応えられる」「経済的余裕が持てる」
傾向として下がっているのが「精神的安らぎの場が得られる」「愛情を感じている人と暮らせる」
傾向を見ると男性も女性も似ており、これは時代背景を映し出しています。
「子どもや家族を持てる」「親や周囲の期待に応えられる」が傾向として上がっているのは、国も会社も「自己責任」のもと、あてにならない。家族が最後の砦となっており、それを反映しているように思います。
女性で「経済的余裕が持てる」が傾向として上がっているのは、非正規社員の比率が高まっていることを反映しているように思います。
「精神的安らぎの場が得られる」が傾向として下がっているのは、共働きが当たり前になり、時間的なゆとりがなくなることで、精神的なゆとりもなくなり、家庭が「安らぎ」の場ではなくなってきたのではと思います。
「愛情を感じている人と暮らせる」が傾向として下がっているのは、「恋愛」と「結婚」は別との考えの広まりとともに、結婚は生活なので、愛情よりも経済的安定に比重が移ってきているように思います。
時代背景を映し出していると言えばそれまでですが、「こころ安らぐ家庭」をつくるお手伝いをしている私としては、少し寂しさを感じてしまいます。
by AKI