前回は、京都での焼肉屋事件が発端となって、髪型から服装、持ち物まで、大胆に変
身をした経緯をお話しましたが、今回はこの変身が契機となって、ついに念願であった
結婚ができたというお話です。
私は41歳で結婚したのですが、それまで女性とはあまり縁がありませんでした。自
分では、どうしてこんないい男を世間は放っておくのかと不思議に思っていましたが・
・・・・。
周りの人から、「結婚したいっていうことを意思表示した方がいいよ。誰かがいい人
を紹介してくれるかもしれないし、チャンスが拡がるよ」というアドバイスもあり、ま
た、外見で少し自信がついたこともあって、色々なところでPRをするようになりまし
た。例えば、あるイベントの抽選会で景品が当たった際に壇上で「嫁さん募集してます」
とか照れながらも言うようになりました。
待っていてはチャンスはやってきませんので自分から出会いを求めて色々なイベント
にもっと積極的に出かけるようになりました。その中の一つに年末恒例のクリスマス
パーティが京都であり勿論出会いを求めて参加しました。知り合いの主催者に、独身女性
の多いテーブルの席を用意してもらったのですが、あいにく仕事で遅刻してしまい、
両隣が男性になってしまったので、つまらないので展示されていた花の水彩画をなんと
なく眺めていました。その絵の中の一つがやたら気になり、そのうち絵の前に行って
じっと見ていました。その時にある女性から声をかけられました。「このコスモスの絵、
素敵ですよね」と彼女。「いいですよねー」と私。そのうち「よーし、おじさんが買っ
てあげ・・・・なーい!」なんていうくだらないギャグが出るくらい楽しく会話が弾み
ました。これが私にとっての伊左代さんとの出会いでした。「私にとっての」というの
は、実はそれ以前に伊左代さんとは出会っているようですがあまりよく覚えておらず、
今でもたまにそのことを伊左代さんからチクリチクリと言われます。忘れてくれません。
ちょうどこの頃、たまたま遊びに行った先にコンピュータ占いの機械があり、なんと
なくやってみたところ「あなたは今、素晴らしい異性からひそかに慕われています。そ
れに気付くのが遅いと、他人に奪われます。もっとよく周りを観察して下さい。こんな
チャンスは、二度とありません。」と書かれているではありませんか。「えーーーー!
誰?誰?」「こんなチャンスは二度とない?」。自分に都合のよいことはすぐに信じる
たちなので、気になって仕方ありませんでしたが、ただ、なんとなくですが、「あのコ
スモスの彼女かなぁ」という感じはありました。
その後しばらくして「能登・白山ツアー」がありました。昼食時に近くにいた伊左代
さんを誘って、主催者の方の前の席に座りました。主催者を中心に話しが弾んでいたの
ですが、突然、伊左代さんに向かって「神谷さんて、やさしくて素敵な人だよ」と話し
ているではありませんか。嬉しいやら照れるやら。そのような後押しもあってか、その
ツアーの中で、二人の間は急接近し、今度飲みにいく約束にまで発展しました。
そして、約束通り飲みにいき、それ以降付き合いが始まり、4ヶ月後、電撃的に結婚
しました。もっとお互いよく知ってから結婚を考えるのが普通かもしれませんが私の中
では「時間をかけても一緒だな。だったら早いほうがいいや」と思ってプロポーズをし
ました。


こうして振り返ってみると、偶然という要素はあると思いますが、自分から「結婚し
たい」と宣言し、自分から行動を起こしたことがチャンスを呼び、周りの人の応援が得
られ、目に見えない力にも支えられ、結婚につながったのではないかと思っています。
最近は晩婚化が進んでいるとはいえ、30歳を過ぎ、40歳の声を聞いた時は「いつ
かは必ず結婚できる」と自分に言い聞かせていても、内心は「本当に結婚できるのだろ
うか」と弱気になった時もありましたが、自分を信じて行動してよかったと思います。
何事もそうだと思いますが、自分を信じて、まずは「自分はこうなりたい」と宣言し
、自分から行動する、そしてそれを継続することで自分の願いがかなえられるのだと思
います。次回は、人との接し方が変わってきたというお話をさせていただこうと思いま
す。(その3へつづく)