前回は、変身がきっかけとなってついに念願であった結婚ができたというお話をさせ
ていただきましたが、今回は、その結婚がきっかけとなって、人との接し方が変わって
きたというお話をさせていただこうと思います。
自分で言うのも恥ずかしいのですが、昔は人のいやがることをチクリチクリと言って
は喜んでいるような嫌なヤツだったんです。例えば、カロリーメイト事件。あるイベント
の時に、そんなに太っているわけではないのですが、少し気にしてそうな感じの女性が
カロリーメイトを食べているのを見て、必要なのはカロリー?と心の中で思いながら
「自分のこと分かってないんじゃないの?」というツッコミを入れてみたり、
また、これは寝癖事件と呼んでいますが、私の寝癖を指摘され、たまたまその時に跳ね
るような髪型をしていた女性がいたので笑いをとろうと思って、「わーい、○○さん(
その女性の名前)とおなじだぁー」と言ったら「うるさい!」と反撃をくらったりして
いました。ちなみにその女性は次に会った時、髪型が変わっていました。ありゃー!。
まぁそんな憎めない(と自分では思っている)嫌なヤツだったんですが、おしゃれに
気を使うようになり、「ステキ」と言われることで「よーし、外見だけでなく、話し方
や接し方についてもステキと思われたい」と思うようになったわけです。
女性に話かけるにしても、相手が気にしていることを話題にするのではなく、相手が
喜ぶようなことを話題にした方がお互い気持ちよく話ができます。そのためには褒める
ことが大事なのですが、私もそうですが、日本人はとかく恥ずかしくて褒めたがらない
。そうしたらある人に言われました。「外国人になったつもりで褒めなさい」って。な
るほど。根が素直ですので早速やってみましたら案外これがうまくいくんですね。
また、会社での会議などで、以前はよく批判めいたことを言っていました。「何故や
らないのか」とか「こうした方がいいんじゃないか」とか。自分としては、相手にとっ
てよかれと思っての発言だったのですが、意見を言ったからといってじゃあ相手が何か
変わったかというと何も変わらない、ということに気がついたわけです。自分もそうで
すが、他人から批判的に言われたら反論するし言い訳を考えるものです。じゃあどうし
たら相手に伝わるか。まず否定から入らない。相手は相手の事情があるわけですからま
ず話を聞く。それを理解した上で、自分の考えを一つの参考意見として伝える。今はそ
うするように心がけています。それから伝えるにしても、大勢の前ではなく、直接会話
をすることを心がけるようになりました。よく考えると、人前で発言するのは、自分は
こんないい意見を持っているんだということの自己顕示欲の現れでもあったような気が
しています。
色々と人との接し方も変わってきたわけですが、これは以前、おしゃれに気を使わな
かったことと根は同じだと思っています。相手からどう見られているかという視点を持
つかどうか。話すことについても、相手がどう感じるかという視点を持つかどうかが大
事だと思います。同じ話をしても、傷つく人とそうでない人がいます。以前はそれは相
手の問題であると割り切っていました。しかし、本当はそうではないと思います。確か
に相手の受け取り方もありますが、相手にどう受け取ってほしいのかが大事だと思って
います。言いたいことを単に言うのではなく、伝えたいことを伝わるように言うことが
大事だと思います。
このように思えるようになったのも結婚したことが大きいと思っています。自分では
よく分からないのですが、結婚してから私は変わったようです。職場の人からは「丸く
なった」と言われます。確かに自分で「こうだ」と思ったら猪突猛進で突き進んでいく
ところがありましたが、今は少しは周りの意見にも耳を傾け、相手の立場や気持ちにも
配慮するようになった気がします。
それは、毎日、妻と会話していることの影響だと思っています。夕食の時など妻の話
も聞きますし、私の話も聞いてもらっています。まず、自分自身が癒されないと他人に
対して優しくはなれないと思います。自分自身が癒されるためには、話をとことん聞い
てもらうことが必要だと思います。話を聞いてもらうことで、気持ちと頭がスッキリし
、じゃあどうしたらいいかということが考えられるようになります。そういったことを
お互いに私達夫婦は毎日のように行っています。
この世の中、人との接し方が一番難しいと思っていますが、結婚したことで、少しで
も自分自身をより望む方向に変えていけているのではと思えると妻への感謝の気持ちが
湧いてきます。もとをたどればこの変身物語の第1回目でお話した京都での焼肉屋事件
が発端ですが、人生不思議だなと思いますし、面白いなと思います。
僕の変身物語(その3)