婚活カウンセリングをさせていただいておりますが、私はカウンセリングを学ぶまで聴く大切さを知りませんでした。話しが下手だと悩んでおり、話すことに捕らわれていたのです。

カウンセリングを学び、話すことより聴く方がコミュニケーションは上手くいくということに気づきました。もちろん自分のことを伝える大切さもありますが、初対面では8対2か9対1くらいで聴く方にウエイトと置いた方が上手くいくようです。コミュニケーションに自信がないなぁという方は、ぜひ聴く力を強化して下さいね。

1.話し上手より聴き上手

婚活をしていて「会話が弾まない」「会話が続かない」といった悩みはないでしょうか?「どんな会話をしたらいいのだろう?」と考えると思いますが、大事なのは話し上手よりも聴き上手になることなのです。

人に話を聴いてもらえると、自分のことを理解してもらえた、関心を持ってもらえたと感じ、その人に好感を持つようになります。婚活では、何よりも大切ですね。

今まで「何を話せばいいのだろう?」と考える習慣があるので「何か話さないと」と思い、聴く時には次に話すことをついつい考えてしまいます。案外集中して聴いていないものです。

人との会話は、育った環境の影響がありますので、親に「そうなのね」と否定せずに聴いてもらっていないと、聴く大切さを忘れてしまいます。親は、子供が心配なのでついつい失敗しないために「そうじゃないでしょ」と、親の価値観を植え付けてしまいます。

聴いてもらった経験があれば、聴いてもらった時の安心感や自分という存在を実感することができるのですが、経験がないと感覚がわかりにくくて当たり前なのです。

カウンセリングでも「聴いてもらって、どうなるのですか?」と思われる方が多いのですが「いえいえ、実は人に聴いてもらえると自分の存在が実感できて力が湧いてくるんですよ」と、そこから始めて行きます。私達は、人に聴いてもらって分かってもらうことがとっても重要であり本能なのです。

そこで、どんな聴き方をすればよいのかを見ていきましょう。

2.会話のパターン

会話にはSパターンとTパターンがあります。自分の視点で会話をすることをSパターン(スタンダード・コミュニケーションパターン)と言います。通常の会話パターンであり、お話を聴きながら自分の考えや意見を伝えていきます。

Tパターン(セラピューティック・コミュニケーションパターン)というのは、相手視点の会話です。

相手の思いや感情に沿って話を聴き、自分の考えや意見を交えないで聴いていきます。なぜ、セラピューティックコミュニケーションパターンなのかと言いますと、カウンセリングの技法で、心が疲れている時に、元気になる聴き方なのです。相手の心が疲れている時の聴き方ですので、元気な時には相手の方は、心地よくさらに元気になる聴き方です。

婚活ではこのTパターンが有効です。Tパターンが身に付くと、結婚後の夫婦関係、友人、仕事、親子のコミュニケーションの取り方にも役立ちます。

3.Tパターンの聴き方

Tパターンで会話をするポイントは、余計なアドバイスをしない、意見しないということなのですが、何か自分の意見を言わないと、どう思われるのかと不安になりますよね。もちろん、意見を言わないからといって何も反応しないのではありません。反応は大切です。

「関心をもっていますよ」、「あなたのお話は、このように受けとめましたよ」と、相手に伝える必要があります。相手に伝えるには、まず「うんうん」「そう」「へー」「なるほど」と、単純応答で応えます。少し違うかなと思った時は「そうですか?」と、お応えするにとどめて意見は言わないのがベストです。さらに、相手が話されている声のトーンに合わせていくと、とっても感じの良い印象になり話しが弾んでいきます。

「なんだ簡単じゃん」と思われるかもしれませんが、相手主導の習慣が身に付くまではついつい口をはさみたくなるものです。習慣ですので、段々身についていきます。

このことを知っているのと知らないのとでは雲泥の差が出てきます。聴く大切さを知らないと、話す方に気が取られてしまうからです。初対面の方に会ったり、お付き合いが始まった時には、聴くということを思い出して下さいね。

4 話す準備を

最後のポイントは、話す内容を考えて準備をしておくことです。

9対1か8対2くらいで聴く方にウエイトを置きますが、1ないし2は自分のことを話す自己開示が必要です。ここを忘れる方が多いです。それで、会話が弾まなくなってしまうのです。

自分の好み、自分の考えやハプニングのような出来事などを少しお話して「あなたは、いかがです。そういったことはありませんか?」と促すと相手の方はとっても話しやすくなります。

コミュニケーションが得意な方は、自動的に自分のことを話せるのですが、苦手意識のある方は苦手だと思い、止まってしまいます。事前に何を話そうかと準備しておくだけでいいのです。その時に、良いことを言わなければなんて気取る必要は全くありません。

人はそんなに面白いことや、良い話を求めていないものです。先程からお伝えしているように、人は聴いて欲しいと思っていますので、それ程、相手の話しに期待はしていないものです。気楽に朝起きてから夜寝るまでの日常の出来事で十分なのです。

その出来事をいくつかピックアップして準備しておくと、沈黙になった時に話せば良いので、余裕がもてるようになっていきます。

雑談が苦手といったご相談もよくいただきますが、日常の出来事を少し考えておくだけでクリアできます。準備をしておいて、後はお相手の話を聴かせていただくだけです。お相手の話を聴かせていただくことで、相手の人となりがわかってきますので、一石二鳥ですね。(^^)

by ISA

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