婚活には、親からの精神的自立がポイントになる

 

婚活を進めるにあたっては、親からの精神的自立が重要になっていきます。

親からの精神的自立とは、親の考えや思いを尊重しながら、自分の考えや思いを中心に生きて行く。すなわち自分の軸で生きていくということです。

大人になると、親(特に母親)の発言が「鬱陶しい」ことがあると思います。

「鬱陶しい」というのは、距離間が非常に近く親が自分の領域に入ってきているということでもあります。

程良く距離が取れていると、自分の考えや感覚と違うことを親が言ってきても「そうなんだ」と聞いて「自分はこうするね」と言えるからです。

しかし、自分の思いを尊重してもらえず、親の顔色を見て育ってきた場合、親の発言に引っ張られて感情的になり、親との距離間が取り辛いケースが多いです。

自分と親とは違う人生を生きていますから、親の世代の価値観と自分の世代の価値観は違っていて当たり前です。親の価値観を尊重しつつ、自分の人生を生きようと思っても、実践はなかなか難しいですよね。

親のいうことに感情を揺さぶられずスルーするためには「客観的事実」だけを見ると案外上手くいきます。親の発言した内容の「客観的事実」だけを見て、自他分離(親の考えを尊重しながら自分の人生を生きる)を目指します。

 

「客観的事実」を見ていくには

 

私の経験で見てみますね。

私の母は、2019年に天国へと旅立ちました。2018年の2月に肺炎になり半年ほど入院し、その後ベットから起きれず寝たきりになってしまいました。退院後は、介護施設でお世話になりましたがその時のやり取りは今も鮮明に覚えています。

月に1~2度、母に会いに行っていました。

自由に動けないので、母自身イライラすることが多く、こちらも引っ張られてイライラしていました。

そこで、母の状態を「客観的な事実」のみで見ていったのです。

私「こんにちは」

母「あー、来た」

私「来たよ」

母の部屋に着いたらすぐに

母「そこのタンス開けて。いらない服を整理したいねん」

私「そう」

母「全部出して」

つっけんどんな言い方をする母に、こちらもイライラするところですが、客観的事実は、母は眉間に皺を寄せて強い口調でタンスから「服を全部出して」と言っただけなのです。母のイライラしている感情にはフォーカスせずに

私「全部出すのね」

母「全部や」

私「それで、どうするの?」

母「これとこれはいらんから捨てて。これは置いておく」

と仕訳を始めます。

私「これは捨てる、この服はタンスに入れるのね」

「客観的事実」は、捨てる服とタンスに入れる服がそこにあるだけです。

以前だったら「母は動けなくて大変だから、辛いだろうな」と思っていました。そう思うと「私が何かしないといけないのに」と思い、介護をプロの方にお任せしていることに罪悪感が湧いてきます。

「客観的事実」だけを捉えると「今、母はベットで一日を過ごすことが多い。食事の時は、介護士さんが支えて下さり車椅子で食堂まで移動をして食事をする」ということだけです。

状態や状況など「客観的事実」だけを見ていくと、私の感情はスーッと穏やかになり、母が言っていることだけに集中するようになっていました。

できることは「はい」できないことは「できないなぁ」と自然に言えるようになり、エネルギーのロスがなくなります。

自分と母との分離ができると「母はこうなのね」と自然に、否定はせず共感的になっていきます。母としてではなく、一人の女性として接する感覚です。

 

「客観的事実」を婚活に活かす

 

婚活で見ていくと「早く結婚しなさいよ」と母親や親戚のおばさんに言われてもその裏の感情を拾わないことなんです。

「早く結婚を」と言っただけだと表面の言葉だけを受け取ると「そうね。私も結婚したいわ。でも自分で決めるね」と言えますよ。

親の心の裏に流れている思いを察すると「早く結婚しないと世間体が」とか「結婚しないと年齢的にも子供ができない」などと考えて不安になり、その結果「ホント、うるさーい」と怒りが湧いてきます。

親との関わり方は、言葉の裏を受け取らず「空気よめましぇーん」という位が丁度いいんです。

「客観的事実」を見ていくことは、親からの精神的自立を促し、婚活にも役立ちます。結婚したいお相手と巡りあった時にも感情に支配されないという部分では、非常に役立ちます。

というのも私たちが悩む時は、感情に支配されてしまう時だと思います。

気に入ったお相手に「どう思われているのだろう」と気になり、感情が揺らぐと自分らしくなくなってしまいます。感情は静かに流れていると、状況が見えて自分が心地よい方を選択できるようになります。

親との関係で感情的ならず程よい距離間が保てるというのは、婚活後の生活にも最適ですので、まずは、ご両親でレッスンしてみて下さいね。